恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
彼の顔がみるみる青白く変わる。










「それって…

それって、本当?

あれだけ気をつけてたのに。

僕が何か間違えて…」


「ちがうの」


「えっ?!何が?」

「ちがうのよ」



「…」


「あなたのじゃない」

青白かった顔からさらに血の気が引いていく。

彼の姿は人間の形をした抜け殻のように見えた。


「あなたのじゃないのよ」







彼はその場に固まったまま、何も言わなくなった。

「だからあなたには何の責任も義務も、そして権利も生じない」

私は、彼を突き放すように言った。

「僕とだけ…

なのになんで!なんで?

僕の子じゃないって、そんなに確信をもって言えるの?」

「私は娘を産んだことがあるから。だからいつ…の時にそうなった

可能性があるかそのくらいはわかるの。

女の身体の事をわかっているなら誰でもわかることよ」

それきりしばらく彼は、うつむいたまま小さく震えていた。

これで終わるのだろう。

予想できた終わりに寂しさを感じながら、彼を見下ろしていた。
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