恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

穢れた醜い鳥

この頃彼とはなかった。だから彼ので…
あるはずがない。

わたしは、その結果を「子」という単語で言いたくなかった。
あれは私にとって同意の上でのものじゃない。

娘たちを妊娠した時もどこまで同意していたかは今では考えたくもない…

あの時、いったん拒絶したものの最終的に私はその行為を受け入れた。
そして、躰もその分身を受け入れた結果が、今の現実につながっている。

「せめて、これぐらいはきちんとして、ひなを不安にさせたくない」

最初から彼は、私の身体への気遣いは深く、避妊はできる範囲で
きちっとしてくれていた。

でも避妊には100%なんてない。
もし、これが彼とのなら…
私はその結果をどう思っているだろうか?
現実には不可能だとわかっていても欲しいと思っただろうか?

抱かれた回数は少なかったけど、彼に抱かれるたびに何か不思議な感情と、
いままで感じたことのない快感に包まれていた。
それはなんだったんだろう?

私の中で何かが壊れて、変わり始めたのか、変わろうとしていたのに…


でも現実とはそんなもの。おとぎ話の先には…
残酷な現実。


私は彼にとって初めての女になれた。
おそらく彼は一生私を忘れないだろう。
男女の仲はギブアンドテイク。愛することは痛みを伴うこと。
奪うこと。憎むことだとそう思い込んでいた。

こんな汚れた女より、小鳥の彼にはもっとお似合いの
穢れない小鳥は世の中にいくらでもいる。
もう彼を空へ返してやろう。
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