恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「どうしても、どうしてもどちらかを選ばないといけなくなったら?

私があなたと娘を選ぶしかなくなったら、私なら間違いなく娘を選ぶ。
私はあなたを見捨てる」

私はその目を物おじせず睨み返した。







「…」

「私は、そういう女なの」

「…」

「あなたが思うような素敵な女性でも、優しい人でもない。
欲しいものが手に入らなければ目の前で切り捨てられる…
恋人に貞操も守れないそういう女なの!!!」

一気にまくしたてた私は、肩を揺らして荒い息を吐き出した。
自分の愚かさに…
失おうとしているものの大きさに、涙がこみ上げてきそうだったが、それを全部真っ黒な心の底に押し込めた。

なんでこの人はわからないのだろう。
なんでこの人は逃げないんだろう。

どうして?どうして…

「自分を悪女に仕立て上げないでください。
あなたには必要だから切り捨ててきた事も多くあるだろうし、
受け入れざるおえなかったこともしかりだと思います。

でももうそれは全て終わったこと。
僕は今までにあなたの身に起きた事に善悪のジャッジをできる
立場ではありません」

「そうね。あなたは部外者だもの」

「でも、僕たちの人生は少しの期間であれ、今交錯しています。
ここからの人生は僕にも関わらせてください」
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