恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
夫にも、あの人にも捨てられる前に捨てたすべての男たち…
利用できるときに、利用できるものを利用すればいい。
男なんて、そんなものだ。
今まで、男なんて…
そう思って生きてきた。

所詮あいつらには種の保存のために一瞬の義務がある以外、
なんのとりえもない。

10か月間身一つで生きて、それからも長くかかる子育てのほとんどを担うのは

女である母親だ。

呼び名として「おとうさん」と呼ばれていた実の父も、
元義理の父も、元夫ですら、私には父親の顔を
持っていたようには見えなかった。


実の父は、私が小さい時に何があったのか出て行ったきり帰ってこなかったらしい。


元義理の父は、めんどくさがられた義母から愛人を押し付けられ
それで満足しているような人だった。


元夫は家の中でだけ私たちに暴力をふるうような奴だった。



だから、彼と娘が親しくしている姿を見た時、
たぶん普通の父親はこんなものなのだろうと思った。



今までのどうしようもない男たちの事を棚に上げても
でも彼を信じたい。


まっすぐな彼だけは違うんだと…

ただ、私はそんな彼を裏切ったのだ。


そして私はあまりにも多くのものを見すぎて多くの事に疲れている。

いまさら私が彼を純粋に信じ、純粋に待つなんてことができるんだろうか?
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