恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「ひな。かわいい」

その言葉に私は顔が火照ってしまう。絡み合う躰。彼の視線に心まで絡め取られる。

穏やかな感情と激しい快感。求める躰にぎこちなく、でも懸命に応えてくれる彼。時に驚かされることもある。

私の指を1本1本唇で触れながら優しくほどいてゆっくりと上に向かい、
中指が1本柔らかい内側をなぞって上がっていく。
それはわきのあたりから前へ滑り、のどをくるくると彷徨う。
くすぐったさに私は身をよじった。


「こら、猫じゃないんだか…」


「静かに。いま、僕はひなさんの躰の声を聞いてるんだから」

話しつつも流れるような視線でいたずらな指は首元を動き回る。

「躰の声?」

「そう」

私は意識がそこに集中して指の動きに神経が研ぎ澄まされる。

「…ん!」

ビクっと躰が跳ねた。

「ほらぁ?どこが震えて、どこなら鳴いて、どこならイクのか」

「そんなぁ、まさか指1本でそんなこと…」

「ここは?違う?」

「あぁあーーーー」

私は躰の震えが突然止まらなくなった。瞳から生理的な涙が数粒こぼれる。

「どうしたの?」

彼は意地悪く微笑みながら、私の零れた雫を唇と舌ですくっていた。
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