恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
次に目が覚めるともう朝だった。結局私はそのままベッドに寝ていた。

不思議と悪夢を見ることなくぐっすりと眠っていた。

眠りに落ちる前、瑞希君に優しく抱きしめられた感触がふんわりと私を包み、
温かな気持ちが胸を満たす。

これまでの人生と今の違いが頭をよぎっても、
それでも私にはその新しい人生を受け入れる勇気が…
今はまだない。

ふと起き上がると携帯が目に入る。光っているということはメールか、着信があったという事。

[帰省は今週は取りやめて家で仕事をします。
むやみに、いや絶対に一人で仕事以外で外に出るのはやめてください。
どうしても出ないといけない時は、僕に連絡してください。
できる限りそちらにおむかえにいきますから…
自分と子どもを大切にしてください。

おやすみなさい。
ちなみにカギはポストに入れました。みずき]

あのまま彼は帰ったのだろうか?

でも、本当にどこまで過保護なんだか…





年下でかわいい彼

何にも知らなかった彼

強がるなという彼

絶対に諦めないという彼

私を助けに来てくれた彼



胸が優しい想いで満たされる中、そのぬくもりを凍りつかせる事実。

私は自分の腹部に視線を向けた。

…私はそんな人を裏切った。それが現実だ。
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