恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

うれしいはずなのに

何も変わらない週末、彼はいつものようにやってきた。

でも私にとっては、あの人に会うことに不安がつのっていた…


彼は今日もご飯を食べそれで帰るのかと思ったら、娘たちに

「今日はお母さんに話があるから、もう少しだけいるね」

と言って子ども部屋まで彼女たちを送った。

何かに感づいた?私はいつもと違う彼の行動が…
余計に不安だった。

それでも何も言わないのに、自分からそれを言い出すことなんてできなくて…

リビングに戻ってきて、先に彼がお風呂に入る。私は彼と入れかわった。

私が部屋に戻ってきたときには、彼はリビングのソファーに座っていた。
いつもの光景のはずなのに、彼がどことなしか緊張しているように見えて…

静かな空間にいたたまれなく、テーブルの上に置いてあるリモコンを取り
TVをつけようとしたのだが…
彼が立ち上がり左手を伸ばしてそれを取り上げる。

触れたところに意識が集中して顔を上げると、彼が私をじっと見ていた。
お互いの視線が絡み合い、えも言われない空気…

「ひな」

リモコンをテーブルに置きながら、彼が真剣な顔をして自分の方に引き寄せた。

私は何を言われるのか…
そう思いつつ、ただなすがままに彼の隣に納まる。




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