恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
デザートは、トレーに色々なケーキ等が並んだものが目の前に運ばれ、

「2つお選び下さい」

と声をかけられた。

「私、チョコとこっちの果物のタルト」

「私は抹茶とイチゴののったやつ」

まず、娘たちが選ぶ。そして、私の目の前にカラフルなデザートが並ぶ。

「すみません。私はこのプリンで…」

「もうお一つは?」

「いえ、私はこれだけでいいです」

そう、脂っこいものをこの身体で食べることはしたくない。プリンくらいなら大丈夫かなと。

「どうぞ」

今度は彼の前に、トレーが置かれる。

「僕もプリンでいいです」

それを選びながら彼が私に向かって微笑んだ。

「それから、今日はご褒美の食事なので、

いやしんぼの彼女たちに僕たちの分を1つずつ選ばせてやってもらえますか?」

「やったぁ~」

「さすがみっちゃん」

娘たちは立ち上がって彼の周りにまとわりつき、あれだこれだとケーキを指さして

楽しそうに話している。

あれだけ実の父親に怯えていた娘のこんな光景を目にすることができるなんて…

本当に彼に感謝だと思った。


食事は和やかに終わる。しかし、もちろん今日はそれだけでは…

終わらなかった。
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