恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

そばでいつもほほえんで

退院の際にオリエンテーションがあった。

師長がカルテと母子手帳を見ながら、今回出産の過程がどうで、身長体重、

産後の子どもの母親の経過や、検査の結果母子ともに異常がないこと。

なにか育児について不安なことがないかなど色々とたずねられた。

私は3人目ということもあり、つつがなく終わりに近づいていた。

「ベテランママさんだから大丈夫ね。でも不安な事があったら

いつでも電話して頂戴」

そして私は師長から母子手帳を受け取った。

病室に帰ると、みずき君が部屋で待っていた。

おちびちゃんを彼に差し出すと、慣れない手つきで一生懸命に抱き取る。

私はベッドに座って母子手帳の中身をぺらぺらと見始めた。

出産前からの色々な情報に、入院してあらたなものが書き加えられていた。

ふと血液型をみると『O型のRH+』だという紙が貼ってあった。

O型なんだ。

あの人はAB型で、私はA型(AO)。

その組み合わせの男女からはO型の子どもは基本的には生まれない。

じゃ…

これってどういうこと?

もしかして…

もしかして…

母子手帳を持ったまま、呆然と座っている。こわい。

そんな都合のいいことがあるはずない。

…私はもう期待して裏切られたくなかった。

でも確かめなきゃ。

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