恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「悔しいけど、ひなさんの全部が欲しいけど、それは無理だってわかってる。

言いたくないことは言わなくていい。もうそれにこだわるのはやめたから…

それをわかった上で、それを受け入れるしかひなさんが手に入らないなら、

僕はひなさんとみんなと一緒に前だけ向いて行くからね。

今のひなさんは僕の物。

ず―っと、ず――っとそばにいるよ。そばにいさせて…」

私は言葉が見つからず温かい胸の中でただ涙を流しながら頷いた。

「ねえ、ひなさん。ここからスタートだよね。僕とひなさんも、子ども達とも…

何があってもどんな目にあっても、一緒にいれば大丈夫。

一緒に乗り越えていこう。一緒に耐え忍ぼう。

時には一緒に逃げたっていいんだよ…

全て上手くいくわけじゃないはずだから。それでも…

ずっと一緒だよ」

私はまた涙があふれ始めた。こんなに幸せでいいのだろうか?

こんな私が幸せになっていいのだろうか?

でもこの人とこの子の為に、この子達のためにも私が幸せにならなくっちゃ、

彼等が幸せになんてなれない。私の試練は終わったのだろうか?

色々あっても、苦しいことや辛いことがあっても、

この人と居ればいいんだろうか?

「本当の意味で佐々木ひなになって。僕のそばでいつも優しくほほえんでいて…

ひなさんは僕の幸運の女神様なんだから」

彼が私の唇にチュっと優しく触れた。
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