恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「みっちゃ――ん」


娘達はそう彼を呼びながら、まとわりつく。

「みなちゃん、ゆなちゃん、こんばんわ」

上から娘たちに投げかけられる彼の視線はどこまでも暖かく優しい。

後ろに回っていた左手に握られた小さな花束が、

私の前にさりげなく突き出された。

「あっ。お花」

私はそういってフリーズしたまま、しばらく動けなかった。


「相良さんの好みかどうかはわからなかったんだけど。

みなちゃん、ゆなちゃんにお土産持ってくるなら、

相良さんにもと思って…」

私は遠慮気味にその花束を受け取る。

「ありがとう。花なんて前にいつもらったかすら

覚えてないから、びっくりしただけ」


私は少し赤くなりながらも匂いをかいでみる。
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