恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
娘たちの視線が、彼と私を行ったり来たりして、

「お母さん照れてる――」

姉の優奈が私をからかった。

「ほんとだ――。顔赤いよぉ」

すかさず妹の美奈が突っ込みを入れる。


「まるで恋人同士みたい」

優奈がそんなことを言うもんだから、

「こら優奈。こんなおばさん。佐々木さんに失礼でしょ」

「いえいえ。二人には約束の物」

と優奈に紙袋を渡す。

「みっちゃん美奈の分は?」

と美奈はほほを膨らませて拗ねてしまう。

「2枚はもったいないから、

どっちかはお母さんにコピーしてもらってね」

先頭に花を持った私。両脇には娘達をエスコートしながら彼は家に入った。

その日から彼はお盆に里帰りした翌週以降、彼女たちにプレゼントを持って、

週末夕飯を食べに来るようになった。
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