恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「おいおい、離婚するのにおめでとうはないだろう?」
私は、首を左右に振り毅然とした気持ちであの人に向き合った。
「そっちじゃない。踏み出す気になったってことの方」
「ああ。いつまでも逃げても仕方がないしな。
身代わりみたいにしてしまったおまえともさよならだし…」
私はその言葉に目を見開いた。
「わかってたの。自分でそれを…」
あの人は、うつむいて煙草をもみ消す。
しばらくそのまま何も言わなかったが、私の方に向き直ると静かに話し始めた。
「ああ。昔々、本当に好きだった…
いや、愛していた女がいたんだ。
それなのに、俺はあんな奴と結婚した。
カノジョ、奴と会ってしばらくしてから、突然いなくなったんだ。
今考えれば、何でいなくなったのかわかるのに…
突然捨てられたと思い込んでやけになって、目の前のエサに…
飛びついたらこのザマだ」
あの人の顔に自分に対する物なのか侮蔑の笑みが浮かぶ。
「そのカノジョ…
お前そっくりなんだよ。
お前に会ってお前にカノジョの面影を見て、重ねて…
そして身代わりにしていたのは紛れもない事実だ。
それをはっきりと自覚して、何もしないほど…
俺は馬鹿じゃない」
「…そうね。そんなあなただから魅かれたのかもね」
「俺たちは、こんな関係だったが、お前は俺にとって
大切なものを取り戻すきっかけを与えてくれた。
ありがとう」
「…あなたはどこまでバカなの?」
いつか言ったセリフが再び口をついて出た。
私は、首を左右に振り毅然とした気持ちであの人に向き合った。
「そっちじゃない。踏み出す気になったってことの方」
「ああ。いつまでも逃げても仕方がないしな。
身代わりみたいにしてしまったおまえともさよならだし…」
私はその言葉に目を見開いた。
「わかってたの。自分でそれを…」
あの人は、うつむいて煙草をもみ消す。
しばらくそのまま何も言わなかったが、私の方に向き直ると静かに話し始めた。
「ああ。昔々、本当に好きだった…
いや、愛していた女がいたんだ。
それなのに、俺はあんな奴と結婚した。
カノジョ、奴と会ってしばらくしてから、突然いなくなったんだ。
今考えれば、何でいなくなったのかわかるのに…
突然捨てられたと思い込んでやけになって、目の前のエサに…
飛びついたらこのザマだ」
あの人の顔に自分に対する物なのか侮蔑の笑みが浮かぶ。
「そのカノジョ…
お前そっくりなんだよ。
お前に会ってお前にカノジョの面影を見て、重ねて…
そして身代わりにしていたのは紛れもない事実だ。
それをはっきりと自覚して、何もしないほど…
俺は馬鹿じゃない」
「…そうね。そんなあなただから魅かれたのかもね」
「俺たちは、こんな関係だったが、お前は俺にとって
大切なものを取り戻すきっかけを与えてくれた。
ありがとう」
「…あなたはどこまでバカなの?」
いつか言ったセリフが再び口をついて出た。