恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
いつものように週末が来て、お土産を持った彼。
4人での楽しい食事。
子ども達と彼はしばらく遊んで、いつもの時間が来たら
子ども部屋で寝る。
そして、リビングにはいつものように…
私たち二人が残された。
それぞれが入浴を済ませしばらくの間は
目の前のTVを見る。
そこで、私は買い置きしていたアルコールを勧めると、
彼は何も言わずそれを受け取るとすぐにあおっていた。
張りつめた空気。お互いにそれ以上どうしていいかわからず、
踏み込めない気まずさ…
時計は夜中にさしかかった。
「来週は会社の飲み会でしたね。再来週は実家に帰るつもりです」
彼が2週間も来ないなんて珍しい。
「わかりました。もう11月だね。2か月もしたらクリスマス」
「クリスマスはサンタになりに来てもいいですか?」
「そんなぁ。佐々木君に悪いよ。
誰か若い人とどこかに行ったら…」
彼の表情が歪む。
マズイ…と思ったのは一瞬の事。
「そういうことなんですね…
それがこの前の返事ってことなんですか?」
「…」
私の何気ない言葉に、とても傷ついている彼。
私達の関係は、彼が無理強いしたことで明らかに変化していたが
…それは決して安定したものではなかった。
意識してなくともやってしまった自分の失言に
どうしていいのかわからず、私はただおろおろとするだけだった。
「今まで、返事らしい返事もなく、かといって泊まっていくって
言っても拒絶するでもなく。
いったい何を考えているのか全くわからなかったけど…」
「…」
彼の沈んだ言葉に…もうなにも言えなかった。
「僕がクリスマスには、若い誰かと遊びに行けばいいって
本気で思ってるんですか?
僕ってやっぱり迷惑なんでよね?
別に、どうしても泊まらないといけないわけじゃないので、
本当に迷惑なら今からでも代行使って帰ります」
彼は、立ち上がっておもむろに自分の荷物をまとめ始めた。
その態度はどこか投げやりに見える。
その証拠に、さっきの言葉の端々に怒りがにじみ出ていた。
私は別に、そんなことを伝えたかったわけではないのに…
何気ない日々の会話。冗談のつもりだったのに…
不安定な関係の上では、こちらが冗談と思っていても
そう取られるは限らない。
でも一度出た言葉は…もう戻っては来ない。
私は渾身の勇気を振り絞り、彼の腕をつかんだ。
彼は、一瞬びっくりしてこちらを見る。
私はその腕をより強く掴んでみたもののやっぱり何も言えない。
お互いの視線が絡み合っても…
それでも彼は荷物を整理する手を止めては…くれなかった。
私は腕をつかんだまま、思い切り息を吸い込んで吐き出した。
涙が出てきそうだった。
でもここで、何も言わなければ彼は帰ってしまうのだろう。
「…なんで来ないの?」
うつむきながら言いにくい言葉を吐き出した。
4人での楽しい食事。
子ども達と彼はしばらく遊んで、いつもの時間が来たら
子ども部屋で寝る。
そして、リビングにはいつものように…
私たち二人が残された。
それぞれが入浴を済ませしばらくの間は
目の前のTVを見る。
そこで、私は買い置きしていたアルコールを勧めると、
彼は何も言わずそれを受け取るとすぐにあおっていた。
張りつめた空気。お互いにそれ以上どうしていいかわからず、
踏み込めない気まずさ…
時計は夜中にさしかかった。
「来週は会社の飲み会でしたね。再来週は実家に帰るつもりです」
彼が2週間も来ないなんて珍しい。
「わかりました。もう11月だね。2か月もしたらクリスマス」
「クリスマスはサンタになりに来てもいいですか?」
「そんなぁ。佐々木君に悪いよ。
誰か若い人とどこかに行ったら…」
彼の表情が歪む。
マズイ…と思ったのは一瞬の事。
「そういうことなんですね…
それがこの前の返事ってことなんですか?」
「…」
私の何気ない言葉に、とても傷ついている彼。
私達の関係は、彼が無理強いしたことで明らかに変化していたが
…それは決して安定したものではなかった。
意識してなくともやってしまった自分の失言に
どうしていいのかわからず、私はただおろおろとするだけだった。
「今まで、返事らしい返事もなく、かといって泊まっていくって
言っても拒絶するでもなく。
いったい何を考えているのか全くわからなかったけど…」
「…」
彼の沈んだ言葉に…もうなにも言えなかった。
「僕がクリスマスには、若い誰かと遊びに行けばいいって
本気で思ってるんですか?
僕ってやっぱり迷惑なんでよね?
別に、どうしても泊まらないといけないわけじゃないので、
本当に迷惑なら今からでも代行使って帰ります」
彼は、立ち上がっておもむろに自分の荷物をまとめ始めた。
その態度はどこか投げやりに見える。
その証拠に、さっきの言葉の端々に怒りがにじみ出ていた。
私は別に、そんなことを伝えたかったわけではないのに…
何気ない日々の会話。冗談のつもりだったのに…
不安定な関係の上では、こちらが冗談と思っていても
そう取られるは限らない。
でも一度出た言葉は…もう戻っては来ない。
私は渾身の勇気を振り絞り、彼の腕をつかんだ。
彼は、一瞬びっくりしてこちらを見る。
私はその腕をより強く掴んでみたもののやっぱり何も言えない。
お互いの視線が絡み合っても…
それでも彼は荷物を整理する手を止めては…くれなかった。
私は腕をつかんだまま、思い切り息を吸い込んで吐き出した。
涙が出てきそうだった。
でもここで、何も言わなければ彼は帰ってしまうのだろう。
「…なんで来ないの?」
うつむきながら言いにくい言葉を吐き出した。