恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
彼に対して好意は持っている。

その気持ちは間違いないだろう…

あと、彼が私を抱いてさえくれたらそれ以上のものを
望むつもりはない。

欲望を満たすことができればそれ以上の関係は…
高望みは…すべてを失う。
何もかもなくしてしまう。

もうこれ以上なくしたくない。これ以上失いたくない。


私はバツイチでシングルマザー。その事実はどこまでいっても
変わらない。
おそらく初婚のそれも年下の若い彼とどうにかなろうなんて、
無理に決まっている。

もっと彼が若ければ付き合う事への抵抗感は少ないだろう。
若さへの劣等感はあってもただ、つきあうだけだから。

でも、彼の年齢で、彼のような人なら必ず結婚の2文字を意識しての付き合いになるはずだ。

私が果たしてそこまで望んでいるのだろうかと考えると
どうだかわからない。

その答えを、自分自身が知りたいのかどうかもわからない。

そんなのどうでもいい。
そう思えば思うほど、どうしても躊躇してしまう。
及び腰になってしまう。

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