恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
大切なもの
彼は唇を離し、私を胸から解放する。
「このままどこかに行く?」
私は首を横に振った。
「そっか…飲んでたんだね。飲酒運転になっちゃう。
さっきので酔いが醒めたから忘れてた。歩いてならいけるけど…
でもその顔じゃ無理かぁ」
そうだ。私は泣いていたんだ。
とりあえず引き留めらたのに私の顔は相変わらず
ぐちゃぐちゃのままだった。
そんな顔に彼は優しく口づける。瞼に、鼻先に、頬に…
「我慢できなくなりそう…
ひなさんの家の前で車の中とはいえこんなことしてたらだめだよね。
戻ろうか?」
彼が先に車を降り、荷物を持って助手席のドアを開ける。
私はされるがまま、差し出された手を取った。
彼に手を引かれて部屋に帰る。
「普段は、鍵をきちんとしめないといけないよ」
そう注意されて、私は静かにうなずくしかなかった。
彼そのまま私の手を引いて子ども部屋の方に向かう。
ギ―――。
静かに子ど部屋のドアを開け私の手を握ったまま中へ…
「よく寝てるね」
耳元で私に聞こえるくらいのかすれた声でささやく。
私の手を握っていない方の手で、娘たちの頭を一人ずつ優しくなでる。
「このままどこかに行く?」
私は首を横に振った。
「そっか…飲んでたんだね。飲酒運転になっちゃう。
さっきので酔いが醒めたから忘れてた。歩いてならいけるけど…
でもその顔じゃ無理かぁ」
そうだ。私は泣いていたんだ。
とりあえず引き留めらたのに私の顔は相変わらず
ぐちゃぐちゃのままだった。
そんな顔に彼は優しく口づける。瞼に、鼻先に、頬に…
「我慢できなくなりそう…
ひなさんの家の前で車の中とはいえこんなことしてたらだめだよね。
戻ろうか?」
彼が先に車を降り、荷物を持って助手席のドアを開ける。
私はされるがまま、差し出された手を取った。
彼に手を引かれて部屋に帰る。
「普段は、鍵をきちんとしめないといけないよ」
そう注意されて、私は静かにうなずくしかなかった。
彼そのまま私の手を引いて子ども部屋の方に向かう。
ギ―――。
静かに子ど部屋のドアを開け私の手を握ったまま中へ…
「よく寝てるね」
耳元で私に聞こえるくらいのかすれた声でささやく。
私の手を握っていない方の手で、娘たちの頭を一人ずつ優しくなでる。