恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
彼に見えなくってよかった。

私が欲しいのは…

その言葉じゃ、感情じゃない。

私が欲しいのは…

そう思うと、彼の唇が身体に触れる度に私の中で何かが溢れそうだった。

「こうやって抱きしめて一緒に一晩いられるだけで幸せ。

だから今日は…もう眠って」

彼は唇を寄せたまま、ぎゅう―っと私を強く抱きしめた。

彼は肌に優しく口づけて抱きしめることはあっても、それ以上は何もしようとはしなかった。

一緒に眠る…

それだけだった。

翌週泊まっても、彼は変わらなかった。
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