恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「じゃ…夜泊まって、一緒に寝ていて中学生…
いや小学生みたいに抱きしめるだけなのはなぜ?」



ゲホッ。

飲んでいたビールが変なところに行ったのか、
彼は急に咳き込みだした。

彼がしばらく苦しそうに咳き込み続けるのを見て、
私はなんてことを言ったのだろうと彼の背中をさすりながら
顔から火が出そうになった。







「ひなさん。ゴホッ。確かに、思っていることは
何でも言って下さいとは言いましたが、
突然ゴホッ、すごいこと言いますね」

まだ、喉に引っかかりがあるのか、詰まりながら口を開く。

「ほら…だから、言わなきゃよかった」

私は俯く。

この頃ずっと気になっていて、思っていたことではあった。

でもだからといって言っていいものなのか。
言うならどういうべきなのか?

「でも大丈夫。自分の気持ちは正直に言って下さい。
突飛もなかったのでびっくりはしたけど…嫌じゃないですよ」

まだ何かが引っかかっているのか、彼は時折咳き込んでいた。

それでも、咳き込みながら立ち上がって私の方に向かってゆっくりゆっくりと歩いて近づいてくる。


そして、私のすぐ隣に座った。ソファーの隣が沈み、そちらに重心が動いて身体が傾きそうになるのをこらえようと手をつくと
その手を彼にとられ、反対の掌が静かに私の腰に回る。
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