恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
しかし、その掌にはもう力はなかった。

いつのまにか完全に脱力してしまっている。
背後に集中すると、呼吸が一定になっている…
この頃慣れてきた分、彼の仕事量は格段に増えた。

元々それだけの実力があるから上司の期待も大きく、
それだけの仕事を任されているのだろうけど…

疲れも半端ないだろう。
でも彼は今日も…


私の欲望は今日も置き去りにされた。

火照った体を自分ではどうすることもできなくて…
それでも彼を起こすのも可哀そうで…

仕方がなく私は今日も目を閉じて静かにしてみた。
私だって、仕事をして、その後家事までして…
疲れているはず。

彼は、私を抱き枕にして口づけ、愛の言葉は囁くが、
そこまででいつの間にか呼吸が一定になり…
二人でセミダブルのベッドで、これまでのように
文字どおり眠る。
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