僕のペット
「さて、俺も行くか。」
山井は美依の後ろ姿をしばらく見つめた後、仕事にむかうため一歩ずつ歩き始めた−ー…
*
数週間後ー−…
「山井!」
「はい!」
「またお前…こんな単純なミスして…。」
「スミマセン…。」
「いい加減にしろよ!」
「スミマセン!」
俺は室長に呼ばれて今週5回目のお叱りを受けた…。
「ハァ…。」
小さくため息をつきながら席につく俺に、同僚の武藤【ムトウ】が話しかけてきた−…
「お前どうした?」
「え?」
「なんか最近変だぞ。」
「変って…?」
「ほら前に知らない女の子家に泊めたって言ってたじゃねえか。」
「ああ…。」
「お前次の日にあったプレゼンに使う大事な資料忘れてきただろ?」
「あー、そうだっけ?」
「そうだよ。ひょっとしてお前、恋しちゃってる!?」
「ばーか。ちげーよ。」
「だよな。」
「ああ。」
「じゃ俺、営業行ってくるわ。」
「行ってらー。」
武藤の言う通りなのか!?
オレ、最近仕事に身が入ってねえって言われるし…。
ホントに恋の病!?