Vampire Kiss*



ざく、ざく、ざく。


落ち葉を踏む音が響く。


ざく、ざく、ざく。


僅かに遅れて音が聞こえる。

ここはあまり人が通らない道。

夜明け前、時計は3時をまわっている。

秋だと言うのに、全身から冷や汗が溢れる。



「………………」



いない。

そっと振り返れば、あるのは自分が歩いた一本道。


気のせい…?


不気味に感じ、足早に去ろうとしたときだった。



わたしの上から、“何か”が落ちてきた。



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