「わかってるってば」
それでも、同棲を続けるわたしたち。

ゆうきの機嫌がいい日はなんだかホッとできて・・・

久々に街へお出かけなんかもしてくれた。

「頑張ってよ」

「うん・・・」

その手は私をいつも勇気づけてくれていたんだな・・・

もうすぐ・・・

本当にもうすぐ作品をエントリーするから

そんな私の手をギュと強く握りしめてくれた。



「おいでよ。」

「えーーー・・・。」

日が沈むと街はライトアップされて、異常にワクワクするのはなんだろう・・・。



この日はいままでにない経験をすることになった私・・・

ゆうきは私をバイト先に連れて行ってくれるという。

「えっ・・・ここが・・・?」

私の知らないゆうきの顔・・・嘘・・・ホントにぃ~?

私が一人では絶対入れないようなクラブみたいなバーみたいな

なんとも、若者で溢れかえる夜の楽園なのか。

私は足元が一歩も出ない・・・

「こんなとこにいるんだね・・・」

「凛・・・おいで。」

私はこの刺激にまた頭がクラクラするけど、

ゆうきは私の手を引いてどんどん中へと案内していった。

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