「わかってるってば」
「でもさ・・・行こうよ。」

切り出したのは凛だった。

「でも・・・」

「わかってるってば」


凛の明るい笑顔は僕の心をほぐしていくような~

「もう少しだけ・・・恋人でいて。」

僕はこの時間が大切でしょうがない。

「結婚しよ。」

言えるだろうか・・・俺。

何度も朝が来て

悩みながらも

その日を待ちわびて・・・

ふと見ると、

隣では

凛はせっせと荷造りをしている。

「す・・・スゴイ徹底ぶりだな。」

「あったりまえよ~ワイハだしな!!」

出発はまだ来週だっていうのに

リビングでバカンス仕様の帽子なんてかぶっている

「可愛いいな。この人は。」

僕はただただ、その愛しい人を眺めていた。
< 35 / 45 >

この作品をシェア

pagetop