「わかってるってば」
午後3時

ゆうきが起きる時間。

私はこの時間へ合わせていつもLINEしてしまう。

「今度大阪行ってもいい?」

「ダメだよ。」

「なんで?」

「・・・・・」

こんなやりとりを繰り返すことも。

ゆうきはいつも「なんで?」のあとはいつも「・・・・」

どういう意味なのよ。

私はムカっときたけど

ここはグッとこらえて、ゆうきの帰りを待つしかないかぁ・・・

「でも・・・ダメなんだよ~」

「逢いたさ」に勝てない。哀れな年増の女ね。

パチパチ・・・

静まったマンションの部屋で

キーボードを叩く音だけが鳴り響く。

そうだった。

私は、ここんとこ、誰とも接触もしてない・・・

「きてるな・・・完全に」


ベッドの中で目を閉じると


想うはゆうきのことだけで・・・

「いつ会いにいこうか。」

そんなことばかり考えていた。

そんなある日の午後

「ピンポーン」

鳴ることのない私の部屋のチャイム♪

ドアの向こう側にはすらっと長身の女性

「まさかぁ・・・」

ゆうきの姉

私の憧れの先輩

柏木奈々だった。

「先輩~!!逢いたかったですぅ~」



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