不良の菅原くんについて。
「あ………そっか」
蓋を開ければ簡単だった。
そうだよね、フツーに書いてあるもん。
第一菅原くんが私のことなんか、知ってる訳ないか。
変に納得して唇をきゅっと結ぶと、
上から「……ふっ」と笑い声が聞こえた。
「え?」
誰、なんて菅原くんしかいない。
菅原くんが手の甲で口を宛がい軽く俯きながら笑っていた。
「え……どうしたの?」
驚いて目を丸くすると、菅原くんは依然笑ったまま。
「お前、第一希望は“ダンディーなオジサマに嫁に貰ってもらう”なのか?」
「!!」
思わずぎょっとする。瞬間、熱湯を被ったみたいに体がぶわっと熱をもつ。
きっと赤面してる。
「みっ………見たの?!」
「名前分かんねぇし、見るだろ普通?
赤ペンで “マジメに書け!!” って書いてあったけど」