不良の菅原くんについて。
「で、どうなんだよ」
「何が」
「デ・ェ・ト」
「伸ばさないでよ…………」
熱心に見つめてくる彼に、あたしは項垂れてため息をつく。
「普通に出かけるだけならいいけどね………」
「ホントか!?やった!!」
あたしが言い終わる前に、言葉を重ねて叫んだ菅原くん。
いや、最後まで聞いてあげてよ。
なんとなく気に入らない気持ちもあったけど、あたしの言葉に菅原くんが本当に嬉しそうに笑うので、
何かどうでも良くなった。
「あたし、駅のデパートに新しく出来た、ケーキ屋さん行きたいな。
来週、ケーキバイキングがあるんだって」
「ケーキ?!」
「あ、もしかして甘いの嫌い?」
「大好きだ!」
少しドキッとしたりして。
何だあたし。なに反応してんの。
ケーキだっつの。