不良の菅原くんについて。
私が教室から眺めているのは、気になる彼、
菅原くん<スガワラクン>。
ちなみにお昼休みの今、彼は人気の少ない裏庭で昼寝をしている。
腕を組んで寝っ転がり、顔の上に意外にも本が置かれている。
ここからじゃ見えないけど、何読んでんのかな。
「何が楽しいの?あれ」
「やだなー。伸び伸びしてるのが面白いんだよ。ネコみたいで」
「……あんた菅原が好きなのネコが好きなのどっちなの?」
「ネコ!」
「……あ、そう」
呆れたようにスマホに視線を落とす沙耶には、まだ言ってないことがある。
彼のことが気になるのにも、きちんと理由があるのだ。