不良の菅原くんについて。
私は彼の事をよく知っている。
それは彼が好きだとか、親しい間柄だとかじゃなく、
彼と同じ中学出身だからだ。
よく思い出せば、彼とは小学校から一緒だった。
低学年の頃の記憶はないが、5、6年生くらいからの記憶はあった。
あの頃は、彼は物静かな分類に入っていた。
といっても、休み時間に真面目に勉強するわけでも、読書をするわけでもなく。
いつも不貞腐れたような、唇をきゅっと結んだ表情で、
頬杖をつきながら窓の外を見ていたり、ぼんやりしていた。