桜色ノ恋謌
opening
■失恋とオーディション
あたしがいつも後ろをついて歩いてる、隣の家の3才年上の梶恭哉(かじ きょうや)くんに、彼女ができた。
恭哉くんにとっては初めての彼女さんだ。
恭哉くんの家から出てくる二人を見ると、まわりの空気がピンク色に染まってるみたいで。
見ているこっちが恥ずかしくなって、思わず目を背ける。
……ううん、違う。
目を背けたくなるのは、二人の甘ったるい雰囲気にあてられたからじゃ、ない。
あたしが恭哉くんにとっては、所詮《妹》みたいな存在にしか見られてなかったこと。
恭哉くんには、あたしは《恋愛対象外》だったことが、辛くて哀しいんだ。
だってあたしは、まだ中学の2年生。高校2年生の恭哉くんに比べたら、まだ子供にしか見えないんだろう。
あたしは恭哉くんが初恋の人なのに。
二人が触れるだけのキスをしてる。
………やっぱり、初恋は叶わない。
そんなやるせなさを知った、中2の春。
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恭哉くんにとっては初めての彼女さんだ。
恭哉くんの家から出てくる二人を見ると、まわりの空気がピンク色に染まってるみたいで。
見ているこっちが恥ずかしくなって、思わず目を背ける。
……ううん、違う。
目を背けたくなるのは、二人の甘ったるい雰囲気にあてられたからじゃ、ない。
あたしが恭哉くんにとっては、所詮《妹》みたいな存在にしか見られてなかったこと。
恭哉くんには、あたしは《恋愛対象外》だったことが、辛くて哀しいんだ。
だってあたしは、まだ中学の2年生。高校2年生の恭哉くんに比べたら、まだ子供にしか見えないんだろう。
あたしは恭哉くんが初恋の人なのに。
二人が触れるだけのキスをしてる。
………やっぱり、初恋は叶わない。
そんなやるせなさを知った、中2の春。
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