桜色ノ恋謌
タンクに付いてる錆びた階段を昇ろうとしたら、タンクの影から人の話し声が聞こえてきた。





………えと。どうしよう。




「……ねぇ。口利き、いいでしょ?満足させ…てんだから…っ」

「萎えるような事言ってんじゃっ…ねーよ」

「ふふ。余裕がない翔大、……可愛い」





あのこれは。もしかして。





「……くっ……」

「やだぁ。イっちゃった?」



ここここここで何をっ !?


とにかくみつからないようにしないと!




そろりそろりと後ずさり、屋上のドアにたどり着いた。


ドアノブに手をかけたけど、びくともしない。




ノブが回らないって事は……閉じ込められた !?


この状況で閉じ込められるとか嫌過ぎるんですけど !!


イジメるなら他人を巻き込まないとか、もう少し考えなさいよね!



「じゃあ、あたし行くから」

「おー。またな」



ヤバい!こっちに来る !?



隠れる場所は……って、そんなとこ無いじゃん!




うああどうしよう!





「あ?お前……」

「……月島くん !?」




なんで月島くんが、ここに?




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