桜色ノ恋謌
あたしが演るのは、主人公である内科医の妹役。ドラマのタイトルは《啄木鳥(きつつき)の森》。
戦後まもなく焼け野原になった東京が舞台の話だ。
物が何もない時代を背景に、主人公の内科医は患者からお金も物も受け取らず、ひたすら患者の治療に尽くす。
けれど、妹を病気で亡くしてしまい、荒れた生活を送る。
そんな医者を助けたのは、かつて医者が助けた患者達だった―――。
というドラマ。
《ぷれしゃすっ!》が終わってからは何度かドラマや映画にも出たけど、ちゃんとした名前も台詞もある役は《ぷれしゃすっ!》もいれて今度で2回目だ。
それまでは台詞もない生徒役とか、オフィスに座ってるだけの役とかばっかりだったし。
《ぷれしゃすっ!》はいうなればアニメやティーンズ誌の延長線みたいなもので、ちゃんとしたドラマとは言いにくいだろうな。
だから今度のドラマは正念場だって、高橋さんが珍しくピリピリしている。
バッグから台本を出して目で台詞を追う。
顔合わせまでには少しでも早く台詞を覚えたいという焦りが半端ないし。
戦後まもなく焼け野原になった東京が舞台の話だ。
物が何もない時代を背景に、主人公の内科医は患者からお金も物も受け取らず、ひたすら患者の治療に尽くす。
けれど、妹を病気で亡くしてしまい、荒れた生活を送る。
そんな医者を助けたのは、かつて医者が助けた患者達だった―――。
というドラマ。
《ぷれしゃすっ!》が終わってからは何度かドラマや映画にも出たけど、ちゃんとした名前も台詞もある役は《ぷれしゃすっ!》もいれて今度で2回目だ。
それまでは台詞もない生徒役とか、オフィスに座ってるだけの役とかばっかりだったし。
《ぷれしゃすっ!》はいうなればアニメやティーンズ誌の延長線みたいなもので、ちゃんとしたドラマとは言いにくいだろうな。
だから今度のドラマは正念場だって、高橋さんが珍しくピリピリしている。
バッグから台本を出して目で台詞を追う。
顔合わせまでには少しでも早く台詞を覚えたいという焦りが半端ないし。