桜色ノ恋謌
それからは隣の会場に移って、短い記者会見が開かれた。
これが明日の朝や昼のワイドショーに流されるらしい。
これから所属する事務所の社長や偉い人に引き合わされて挨拶をしたけど、人数が多すぎて何がなんだか分からなかった。
めまぐるしい一日が終わったあと、マネージャーに決まった鳥羽昂(とば たかし)さんが、家まであたしを送ってくれた。
鳥羽さんはまだ20代の前半ぐらいの年みたいだ。
「今日は慌ただしくて気持ちが追い付いてないでしょ?明日の午前中に保護者の方と話し合いをさせてもらうから、とりあえず今日はゆっくり休みな?」
「はい。あ、家はここなんで……」
「ひとまずお家の人にご挨拶させてもらうね」
家に帰り、お母さんに優勝したことを報告すると、お母さんは口をぱかっと開けたまま固まってしまった。
鳥羽さんが詳しくオーディションの結果を教えてくれて、ようやく我に返ったみたいだ。
「……では、契約に必要な書類を明日お持ちしますので、詳しいご報告は明日の午前中でよろしいでしょうか?」
「はぁ、まぁ、ええ……。でも、咲絢?あなた本当に後悔しない?この世界は浮き沈みが激しい世界なんだよ?本当にやっていけるの?」
鳥羽さんからの説明を聞き終わったお母さんが、あたしに向き直って質問した。
お母さんは、あたしのことを心配してくれてるのかな?
童話作家で、出版業界とも繋がりがあるお母さん。
たまに親子番組で、お母さんの童話が使われることもある。
これが明日の朝や昼のワイドショーに流されるらしい。
これから所属する事務所の社長や偉い人に引き合わされて挨拶をしたけど、人数が多すぎて何がなんだか分からなかった。
めまぐるしい一日が終わったあと、マネージャーに決まった鳥羽昂(とば たかし)さんが、家まであたしを送ってくれた。
鳥羽さんはまだ20代の前半ぐらいの年みたいだ。
「今日は慌ただしくて気持ちが追い付いてないでしょ?明日の午前中に保護者の方と話し合いをさせてもらうから、とりあえず今日はゆっくり休みな?」
「はい。あ、家はここなんで……」
「ひとまずお家の人にご挨拶させてもらうね」
家に帰り、お母さんに優勝したことを報告すると、お母さんは口をぱかっと開けたまま固まってしまった。
鳥羽さんが詳しくオーディションの結果を教えてくれて、ようやく我に返ったみたいだ。
「……では、契約に必要な書類を明日お持ちしますので、詳しいご報告は明日の午前中でよろしいでしょうか?」
「はぁ、まぁ、ええ……。でも、咲絢?あなた本当に後悔しない?この世界は浮き沈みが激しい世界なんだよ?本当にやっていけるの?」
鳥羽さんからの説明を聞き終わったお母さんが、あたしに向き直って質問した。
お母さんは、あたしのことを心配してくれてるのかな?
童話作家で、出版業界とも繋がりがあるお母さん。
たまに親子番組で、お母さんの童話が使われることもある。