桜色ノ恋謌
「さっきの話だけどね、今週末、《justice》の番組のトークコーナーの収録が14時からで、陽菜乃の代打でのCM撮りが18時から。何とかなるわね」

「他には入ってないんですか?」

「《shelly》の撮影は無理言って午前中にしてもらいましょう。でなければ前日か後日に回せるからこれは大丈夫」

「《Justice》の番組、《うぃき☆うぃき》でしたっけ?もしかして月島くんが……?」



信じらんない!

今日、私に断られたからってまさか本当に依頼してくるなんてさ。しかも今週末って、台本読む暇も打ち合わせする暇もないじゃん!



「そうみたいね。映画の宣伝もかねて、丁度いいって事になったらしいわ。打ち合わせが明日の10時からだから」



月島くんに必要以上に絡むと、ファンからの嫌がらせが怒濤の如く押し寄せてくるから、できればあんまり近づきたくないのにな。



「映画の試写会もまだだし、話題作りの為に、宣伝はできるうちにやりましょう」

「……はーい……」


聞こえないぐらいに小さい声で返事をした。


「そしてCMの方は製菓会社のクッキーの宣伝。子役の子と一緒にやるらしいわね。詳しくは後で聞いておくから」

「はい。分かりました」




週末は終日スタジオだなと諦めて、私は恭哉に簡単なメールを送った。




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