桜色ノ恋謌
「俺ら、お互い忙しいから学校ではあんま、会ってはいないよね?」

「……そう、ですよね…」


意外な助け船を出してくれたのは、月島くんだった。



「へー。そうなの?同級生同士で恋愛したりとか、俺すげー憧れるんだけど、ないの、そう言うの?」


尚も食い下がる大地くん。



「……ないね。仕事してる時点で普通じゃないからね」

「そうですね。でも月島さんは成績は良かったですよね?」


社交辞令だけどね。月島くんの成績なんて知らんよ。


「えー。俺クラスで何番目とか知らねーけど」


うんそうだね。私も自分の成績なんて何番目かは知らないもん。



「あ、そろそろ時間?そっかー。まだお話ししたいのは山々ですが、お時間となりましたのでこの辺で。今日のゲストは如月咲絢さんでしたー」


月島くんの台詞に応えて、カメラと客席に向かって頭を下げる。


「ありがとうございましたー」



どうかな?これでいいかな?



高橋さんがOKと指で合図を出してくれた。



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