桜色ノ恋謌
少しでも早く、咲絢の元に戻りたいのに結果が出せない。
そんなある日、また陽菜乃のマネージャーに呼び出された。
陽菜乃が癇癪を起こしてCMの出演を蹴ってしまったからだと言う。
なぜだと理由を聞くと、クライアントの「できれば咲絢でも良かったな」と言った一言が、癪に障ったらしい。
それからはマネージャーと二人で陽菜乃を宥めたが、全く聞かない。
「咲絢咲絢咲絢 !! なんであの子なのよ !!」
クライアントの意向は無下にも出来ず、マネージャーに宥められる陽菜乃を横目に、俺は高橋さんに電話した―――。
「あの……。高橋さんは?」
咲絢が子役から離れて、きょろきょろと辺りを見回した。
「高橋さんは社長に呼び出された。お偉いさんの接待が入ったから、咲絢をマンションに送ってほしいって俺が頼まれたの」
「……そう……」
あまり嬉しくなさそうな咲絢の態度に、少なからず落ち込んだ。
そりゃそうだよな。
俺だってこんな形での再会は苦痛なんだから。
「とりあえず着替えるか」
咲絢を促して撤収準備をさせた。
そんなある日、また陽菜乃のマネージャーに呼び出された。
陽菜乃が癇癪を起こしてCMの出演を蹴ってしまったからだと言う。
なぜだと理由を聞くと、クライアントの「できれば咲絢でも良かったな」と言った一言が、癪に障ったらしい。
それからはマネージャーと二人で陽菜乃を宥めたが、全く聞かない。
「咲絢咲絢咲絢 !! なんであの子なのよ !!」
クライアントの意向は無下にも出来ず、マネージャーに宥められる陽菜乃を横目に、俺は高橋さんに電話した―――。
「あの……。高橋さんは?」
咲絢が子役から離れて、きょろきょろと辺りを見回した。
「高橋さんは社長に呼び出された。お偉いさんの接待が入ったから、咲絢をマンションに送ってほしいって俺が頼まれたの」
「……そう……」
あまり嬉しくなさそうな咲絢の態度に、少なからず落ち込んだ。
そりゃそうだよな。
俺だってこんな形での再会は苦痛なんだから。
「とりあえず着替えるか」
咲絢を促して撤収準備をさせた。