桜色ノ恋謌
「きょ、や?」

「咲絢は俺のだ。今さら出てきたって遅ぇよ」



肉食獣みたいにぎらぎらと光る目で私を見る恭哉が怖くなった。


「言って?咲絢は誰のもの?」

「私、は……」





―――昔も今も変わらない。俺が好きなのは、咲絢だけだから……。






昂くんの言葉が私の思考に歯止めをかける。



「私は恭哉の!お願い…恭哉、お願い……!」


もう迷わないように私を壊して。



揺れる気持ちを振り切るように恭哉に懇願した。



「優しくは出来ない。それでもお前は、俺でいいのか?」


恭哉の問いに、激しく頭を振って頷いた。




荒々しく開かれる体。


愛情を確かめる行為じゃない。



それでも私はその行為を受け止めた。




恭哉が体に残す全ての刻印と楔をこの体に刻み込めばいいんだと。




そうすれば、もう迷う事はないだろうから……―――。




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