桜色ノ恋謌
その一部始終を見ていた大地くんは。
「なーんか怪しいな。嫌がらせされんじゃね?」
気楽にそう言って彼は帰って行った。
「……高橋さあん……」
明日、行きたくないよー。
ほんとに袋叩きにされたらどうしよう?
翌日のロケはさくさくと進んだ。
何かトラブルがあればいいのにと思う時ほど順調にことは進むんだね。
このあと桜小路さんとお話し合いしなきゃいけないかと思うと、胃がキリキリ痛む。
高橋さんも一緒に来てくれるのかな?と考えて聞いたら「私がいかない方がいいでしょう。向こう様はお母様がついてくるかも知れないでしょうし」
「なんでお母さんなんですか?」
高橋さんは意外そうな顔で私をちらりと見やった。
「桜小路さんのお母様がマネージャーみたいなものなのよ。教育ママとマネージャーを兼ねているようなもんだわね」
珍しく冷笑を浮かべた高橋さんが鼻で笑った。
「でも、何かあったらすぐに電話して。迎えに行くから」
分かりました、と答えて着替えに戻る。
どんな話し合いなのかなー。怖いなー。
桜小路さんとロケ地の裏出口で待ち合わせて、タクシーに二人で乗り込んだ。
そこで違和感を感じる。
高橋さんが『教育ママ』だと評した桜小路さんのお母さんが、車の中に載っていないのだ。
更に言えば、桜小路さんのマネージャーさんも乗っていない。
うわ、現地に着いたら取り巻き達に囲まれるの、私?
真面目に高橋さんには着いてきて貰えばよかったかな?
「30分ぐらい車で走るそうだけど、大丈夫?」
……だいじょばない。
「なーんか怪しいな。嫌がらせされんじゃね?」
気楽にそう言って彼は帰って行った。
「……高橋さあん……」
明日、行きたくないよー。
ほんとに袋叩きにされたらどうしよう?
翌日のロケはさくさくと進んだ。
何かトラブルがあればいいのにと思う時ほど順調にことは進むんだね。
このあと桜小路さんとお話し合いしなきゃいけないかと思うと、胃がキリキリ痛む。
高橋さんも一緒に来てくれるのかな?と考えて聞いたら「私がいかない方がいいでしょう。向こう様はお母様がついてくるかも知れないでしょうし」
「なんでお母さんなんですか?」
高橋さんは意外そうな顔で私をちらりと見やった。
「桜小路さんのお母様がマネージャーみたいなものなのよ。教育ママとマネージャーを兼ねているようなもんだわね」
珍しく冷笑を浮かべた高橋さんが鼻で笑った。
「でも、何かあったらすぐに電話して。迎えに行くから」
分かりました、と答えて着替えに戻る。
どんな話し合いなのかなー。怖いなー。
桜小路さんとロケ地の裏出口で待ち合わせて、タクシーに二人で乗り込んだ。
そこで違和感を感じる。
高橋さんが『教育ママ』だと評した桜小路さんのお母さんが、車の中に載っていないのだ。
更に言えば、桜小路さんのマネージャーさんも乗っていない。
うわ、現地に着いたら取り巻き達に囲まれるの、私?
真面目に高橋さんには着いてきて貰えばよかったかな?
「30分ぐらい車で走るそうだけど、大丈夫?」
……だいじょばない。