桜色ノ恋謌
「写メ、ないの?良かったら見せて?」

どうしよう。まさかこういう展開になるとは予想してなかった。


それに恭哉との写メなんてないし。


「私の彼氏より、桜小路さんの事が気になりますよー。桜小路さんには、気になる人とかいないんですか?」


いくら桜小路さんだって、気になる人の一人や二人いるよね?


むしろそっちの方が気がかりなんだけど。


「私の事はいいから!当ててみましょうか?月島翔大さん、でしょ?」

「いいえ、違いますよ?」


私はひきつった笑顔で桜小路さんに答えた。

なんっであんな奴とそういう仲だと勘違いされなきゃいけないわけ !?



「嘘。だってあなたと月島さん、一緒に授業を抜け出して仲良くしてるそうじゃない?」


仲良く、ではないです。あやつが勝手に追いかけて来るんですってば。


「月島くんは、一緒に仕事をした友達…みたいなものです。私は月島くんにそんな感情ないし。それに、私の彼氏は幼馴染みですよ」


桜小路さんの追求の目に辟易した私はとうとう恭哉の事を暴露した。


追求の…っていうより、桜小路さんの目が興味津々で、まるで恋バナに食いつくフツーの女子高生みたいだ。


「幼馴染みなの !? じゃあ同じ年?」


……変なの。あの怖かった桜小路さんがこんなに雰囲気丸くなるなんて。


「まだ、大学生…ですけど」


また言われるのかな。『一般人とは上手く付き合えないわよ』なんて。


それにここまで話しちゃったけど、これをネタに脅されたりとかしたらどうしよう……。


喋りすぎたかな?


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