桜色ノ恋謌
「大学生……年上…幼馴染み……」

「いやあのでも、将来性はあり……」

「いいわ、それ!すごく憧れる!」


……桜小路様は何をおっしゃっているの?


「だって身近な存在なんでしょ?羨ましい!どっちから告白したの !?」





それからずっと桜小路さんに根掘り葉掘り恭哉の事を白状させられた。




内心はびくついてたけど、桜小路さんがあんまり年相応の笑顔を見せるもんだから、私もつい気軽に普通に話をしてたりする。




「……私の話はもういいじゃないですか!今度は桜小路さんも話して下さいよー」



さすがにエッチの事まで聞こうとする桜小路さんを遮って、私は反撃してみた。


「だって私、そういう経験ないもん。というか、敬語は止めよう?如月さん……咲絢って呼ぶけどいい?私の事は公佳でいいわ。それより、初めての時ってどうなの !? 痛いの !? どんな雰囲気でそうなるの?」


あの。桜小路さんの質問と要望はどれもお応えするにはハードルが高いような気がするんですが……。



「じゃ…じゃあ、『公佳ちゃん』でいいですか…?」

「いいわよ!それよりどうなの?どんな感じなの !?」


えー。これに答えてもいいのかなぁ?高橋さんにさえ恭哉とのことは言ってないのに……。


「最初は…クリスマスの時に、そういう雰囲気になったけどできなくて、その後彼氏がわざわざ私のマンションに来て、………それで」


きゃーっと騒ぐ桜小路さんの顔が、ピンクに染まっている。


そんなとこを見ると、わぁ純真無垢なんだなーって思ってしまうよね。異性との付き合いに関しては。


「だから、公佳ちゃんも話して?いるでしょ、一人ぐらい」

「いたってママがいるから、私はダメなの。お付き合いする人も決めるって言われてるし……」



おかしくない?そんなの。それで好きな人を諦められるの?



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