桜色ノ恋謌
学校に行きたくなくても、高橋さんが来てしまえば行かなきゃいけない。




昨夜は疲れて眠ってしまうまで、ずっと恭哉に電話をかけていたし、メールも送った。





――今日、東京に戻ってきたよ。

――恭哉を見かけたけど、一緒にいた人はだれ?





いきなり誤解して責めたくはないから、キツくならないような文にしたのに。



恭哉は絶対読んでるはずなのに、返事はまだ返ってこない。

そのせいで私がどれほど不安になっているか、恭哉は知ってるのかな?


恭哉が、まさか浮気……?




頭を振ってその疑惑を追い出した。


昂くんが陽菜乃ちゃんとキスした時も、自棄になってしまったじゃない、私。



もう同じことは繰り返したくない。



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