桜色ノ恋謌
「……陽菜乃に恋愛感情なんてなかったし。つーか。《手塚陽菜乃》は、俺にとっては商品でしかねーよ。そこに個人的な感情なんか、まったくなかった。けど、咲絢は……」
私が、何よ?
訝しげに昂くんをみつめた。
「咲絢は、昔も今も、ただ一人の《女》だよ。ずっと変わらない」
「……だからそれ、こまる……」
鳥羽さんに熱っぽい目で見られて、すごく居心地が悪くなる。
「……鳥羽さんて、ホント馬鹿」
仕事でも上手く立ち回れないくせに。
「あ、パレードがこっちに来た」
会話を打ち切るように、鳥羽さんが窓から見える景色を指差した。
「……うわ、きれい……」
釣られて外に視線を向けると、パークの大通りに沿って煌びやかにライトを光らせたパレードが、何台もゆっくりと行進してくる。
私が、何よ?
訝しげに昂くんをみつめた。
「咲絢は、昔も今も、ただ一人の《女》だよ。ずっと変わらない」
「……だからそれ、こまる……」
鳥羽さんに熱っぽい目で見られて、すごく居心地が悪くなる。
「……鳥羽さんて、ホント馬鹿」
仕事でも上手く立ち回れないくせに。
「あ、パレードがこっちに来た」
会話を打ち切るように、鳥羽さんが窓から見える景色を指差した。
「……うわ、きれい……」
釣られて外に視線を向けると、パークの大通りに沿って煌びやかにライトを光らせたパレードが、何台もゆっくりと行進してくる。