桜色ノ恋謌
来場者達が熱狂的に、或いは、静かにパレードを自由に楽しんでるのをガラス越しに見ていれば、まるで私達の方が現実に縛られて逃れられない可哀想な人達のようで。




食事が終わっても、私達はしばらくその席から動けずにいる。



このまま時間が止まってしまえばいいのに。



それとも。



時間が、戻ってくれたらどんなにいいのか。




それでも、私は進まなければならないんだ。



これより先へ、もっと上へ……―――。












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