桜色ノ恋謌
■遠い瞳に映るもの~昂said~
無言で二人、窓の外に視線をやって、流れるパレードの波を見つめていた。
さっき、咲絢に『咲絢を想う気持ちを諦める』と言った言葉は嘘じゃない。
結果なんてとっくに出てた。
咲絢のために、咲絢の横に並んで立つために、今の地位を手に入れた梶さん。
……いや、梶さんの立場なら、咲絢のことをフォローして守ってやれるはず。
なのに、俺にはそんな力はない。
今の咲絢の仕事は、《SIGMA》や《SIGMA》と取り引きがある会社のCMに出ることと、事務所に来た依頼を受けること。
例えばドラマだったり、今日のようなレギュラー番組だったり。
それだって、《SIGMA》の意向が優先で、事務所に来る仕事は厳選に調整して回しているぐらいだ。
さっき、咲絢に『咲絢を想う気持ちを諦める』と言った言葉は嘘じゃない。
結果なんてとっくに出てた。
咲絢のために、咲絢の横に並んで立つために、今の地位を手に入れた梶さん。
……いや、梶さんの立場なら、咲絢のことをフォローして守ってやれるはず。
なのに、俺にはそんな力はない。
今の咲絢の仕事は、《SIGMA》や《SIGMA》と取り引きがある会社のCMに出ることと、事務所に来た依頼を受けること。
例えばドラマだったり、今日のようなレギュラー番組だったり。
それだって、《SIGMA》の意向が優先で、事務所に来る仕事は厳選に調整して回しているぐらいだ。