桜色ノ恋謌

本当は。



悔しかった。負けたくなかった。いつも側にいたかった。守りたかった。


笑う咲絢を、いつまでも隣で見ていたかった。



――だけど、それはもう、俺の役目じゃない。



梶さんの役目だ。



でも今日だけは、咲絢を一人占めしたい。


これで最後。



これで咲絢を諦めるから―――。











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