桜色ノ恋謌
★★
その夜は、なんで泣きたくなったのかは分からない。
ただ、恭哉の胸に包まれて、安心したのか。
それとも、恭哉に対して疚しいことがなくなったからなのか。
だけど、このままどちらともつかず曖昧にしたままで、恭哉と結婚するのも蟠りはいつまでたっても消えるはずなんてない。
昨夜は恭哉の胸で泣いてすっきりしたはずが、どうやらまだ暗い顔をしているらしい私を心配して、学校で公佳ちゃんが話しかけてきてくれた。
「…咲絢、とっても暗い顔してるわよ?お昼休みだし、どこか気分転換にいきましょ?」
「ん…」
公佳ちゃんになら、恭哉と鳥羽さんとのことを相談してみてもいいかな。
私の前を歩く公佳ちゃんを漠然と眺めながら覚悟を決めたとき、邪魔するやつらが現れた。
「桜小路んちの弁当たかりにきたー」
「みーとぅ」
なんてこと、呼んでもいないのに大地くんや月島くんもほいほい着いてきてしまったわけで。
私は、できれば公佳ちゃんだけに悩みを打ち明けようと思ってたのに、邪魔しにきやがったよコイツら!!
私はがくりと肩を落としながら、三人の後におとなしく着いて行くしかなすすべがなかったのでした…。
その夜は、なんで泣きたくなったのかは分からない。
ただ、恭哉の胸に包まれて、安心したのか。
それとも、恭哉に対して疚しいことがなくなったからなのか。
だけど、このままどちらともつかず曖昧にしたままで、恭哉と結婚するのも蟠りはいつまでたっても消えるはずなんてない。
昨夜は恭哉の胸で泣いてすっきりしたはずが、どうやらまだ暗い顔をしているらしい私を心配して、学校で公佳ちゃんが話しかけてきてくれた。
「…咲絢、とっても暗い顔してるわよ?お昼休みだし、どこか気分転換にいきましょ?」
「ん…」
公佳ちゃんになら、恭哉と鳥羽さんとのことを相談してみてもいいかな。
私の前を歩く公佳ちゃんを漠然と眺めながら覚悟を決めたとき、邪魔するやつらが現れた。
「桜小路んちの弁当たかりにきたー」
「みーとぅ」
なんてこと、呼んでもいないのに大地くんや月島くんもほいほい着いてきてしまったわけで。
私は、できれば公佳ちゃんだけに悩みを打ち明けようと思ってたのに、邪魔しにきやがったよコイツら!!
私はがくりと肩を落としながら、三人の後におとなしく着いて行くしかなすすべがなかったのでした…。