桜色ノ恋謌
咲絢に害をなす壁から、彼女を守ること。

それすらも疎かにしていた自分を、猛烈に悔いている。


咲絢を守るどころか、逆に災いの種を蒔いてしまった。


それを今から刈り取りにいく。


「鳥羽さんは…?マンションまで送ってくれるんじゃないの?」

咲絢が不安げに俺を見上げる。

「今日は俺が付いてなくても、社長がいるだろ」

ふ、と笑ってその場を後にした。

行く先は、うちの事務所。

あれだけのことをしでかしたんだ。

陽菜乃は事務所に監禁されているだろう。




今日で全てが終わりだ。



全てに、けじめを、つけよう――――。
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