桜色ノ恋謌
昂くんなら、あたしの体調や精神状態を一番に考えてくれるのに。
「……昂くん……」
昂くんはあたしから逃げるように、社長室から出て行った――――。
打ち上げには『体調が悪い』と言い訳をして出なかった。
家には高橋さんが送ってくれたけれど、話すことなんか何もなくて。
家に帰ってから、何回も昂くんへのメールを打っては消し、打っては消し……何時間も迷っていた。
最初はなぜ異動の話をしてくれなかったのか、責める言葉ばかりを打ち込んだ。
でも最後には、どうしても感謝の気持ちだけが溢れてきて……。
……恭哉くんに彼女ができた時に似てると思った。
この『寂しい』という感情は、叶わなかった恋に焦がれる感情なんだろうか?
それを考えるのすら鬱陶しい。
「……昂くん……」
昂くんはあたしから逃げるように、社長室から出て行った――――。
打ち上げには『体調が悪い』と言い訳をして出なかった。
家には高橋さんが送ってくれたけれど、話すことなんか何もなくて。
家に帰ってから、何回も昂くんへのメールを打っては消し、打っては消し……何時間も迷っていた。
最初はなぜ異動の話をしてくれなかったのか、責める言葉ばかりを打ち込んだ。
でも最後には、どうしても感謝の気持ちだけが溢れてきて……。
……恭哉くんに彼女ができた時に似てると思った。
この『寂しい』という感情は、叶わなかった恋に焦がれる感情なんだろうか?
それを考えるのすら鬱陶しい。