桜色ノ恋謌
雑誌の撮影とは違い、TVドラマの収録ともなれば現場に集まる役者やスタッフの数からして違う。


業界の悪癖で咲絢を惑わせる奴もいるだろうし、チャラけた俳優やアイドルに誘われないとも限らない。



《ぷれしゃすっ!》を撮ってる間はずっとそうした事に目を光らせて、咲絢を遠ざけていた。




できるのなら、ずっと咲絢の側にいたかったから。




しかし無情な通告が社長から出されると、俺はそれに従うしかなかった。



高橋さんが言ったように、今の咲絢はブレイク寸前。


スケジュールもかなり詰め込まれていて、ニアミスを二回ぐらいやらかした。



今以上に忙しくなる咲絢のマネージメントをこなせるだけの手腕が、悔しいけど今の俺にはない。




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