桜色ノ恋謌
「道が混んでるから着くまでに時間がかかるかな。少し寝てな?」

「んー。乗りたいアトラクションとか食べたいものとか考えたら眠れない。ネットでアトラクションの待ち時間調べる」



車の中で携帯なんか見たら酔うだろっつーの。

結局、咲絢は2分で寝てたけど。






「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!」

「うるせっ!」

フリーフォールのアトラクションで絶叫。



「ふおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ !!」

「まず落ち着け!」

水上ショーで感動。



「熱いっ !!」

「ゆっくり食え!」

レストランで舌を火傷。



そんな咲絢を見ていたいのは山々だけど、楽しい時間はあっという間に過ぎていくもんだ。


「明日は夕方から《Shelly 》の撮影が入ってたよな。もうそろそろ……」

「やだ!まだ帰んない!まだ夜のパレード見てない!」


咲絢は足を踏ん張ってテコでも動かない構えだ。


「パレードまでは見れないって。何でも買ってやるから、どっか店に寄って帰るぞ」

「………ほんとに何でも買ってくれる?」


こいつ上目遣いとかどこで覚えたんだよ?


この先こんなんじゃ業界の餌食になりかねないぞ。


全く世話が焼ける奴。




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