夕焼け空の下で




でも…そんなこと言えない。










言ってしまっても






何も変わらないから―。







涙を必死にこらえながら無理やり笑う。











「…そ、そんなの当たり前じゃん…!うちに分からないことなんてないからね!」







冗談っぽく言う。








「そうなのかー?」なんて笑う夕夜。









それに微笑み返す。









笑ってないと……






すべて溢れてしまいそうで……。













「じゃあ…戻ろうか。」








手を引かれる。







< 53 / 262 >

この作品をシェア

pagetop